3440ドット×1440ドットのウルトラワイドモニターを購入しました。
ウルトラワイドモニターとは、通常のモニターよりも横幅が広い製品です。
画面の横の長さが縦の2倍以上になっているのが特徴で、画面の縦横の比率を表すアスペクト比が21:9になっているものが一般的なウルトラワイドモニターです。
なかにはさらに横長な 32:9 のモニターなどもあります。
ウルトラワイドモニターの組み立てから設定、使い勝手やフルハイビジョンのテレビを見るとどのように映るのかなどをレビューします。
モニター解像度規格
モニターにはいろいろな解像度の製品があります。
VGA(Video Graphics Array)
640×480で総画素数は307,200になります。
縦横の比率(アスペクト比)は4:3です。
初期のデジカメの30万画素がこのサイズです。
わたしはブログに貼り付ける写真をこのサイズにリサイズして使っています。
XGA (eXtended Graphics Array)
1024×768で総画素数は786,432になります。
アスペクト比は4:3。
初めてのノートパソコンの画素数がこれでした。
WXGA(Wide XGA)
1366×768で総画素数は1,049,088になります。
100万画素を越えて、メガピクセルと呼ばれました。
2台目のノートパソコンが15.6インチでこの解像度でした。
アスペクト比が16:10で、フルHDの16:9に近い横長のディスプレイです。
長い間見慣れた4:3から16:10の横長に変わり、画面がすごく広くなったように感じました。
フルHD(Full High Definition)
1920×1080で総画素数は2,073,600になります。
アスペクト比は16:9で、フルハイビジョンと呼ばれています。
WXGAからは一気に倍の200万画素になります。
現在、日本で一番多く選ばれている解像度のモニターです。
今まで使っていたPhilips(フィリップス) の1920×1080のフルHDモニター。
23.6インチで、こんなサイズ感です。
110センチ幅のデスクに、パソコン本体、スピーカー、モニターが置けます。
WQHD(Wide Quad-High Definition)
2560×1440で総画素数は3,686,400になります。
アスペクト比はフルハイビジョンと同じ16:9です。
24インチのフルハイビジョンを27インチにすると画素ピッチが広がって、画像が荒くなってしまいます。
画素数を1.8倍に増やして、27インチでも綺麗な画質を維持します。
4K
3840×2160で総画素数は8,294,400になります。
縦も横もフルハイビジョンの画素数を2倍にしたもので、総画素数はフルハイビジョンの4倍の800万!。
34インチのウルトラワイドモニター
今回購入したのは、3440×1440で総画素数は4,953,600になります。
2560×1440でアスペクト比16:9のWQHDを更に横に伸ばして、3440×1440でアスペクト比21:9にしたUWQHD(Ultra Wide Quad-High Definition)と呼ばれるモニターです。
フルハイビジョンの2.3倍以上の画素数です。
でかい!
このモニターを置くと、パソコン本体とスピーカー片方しか置けません。
片方のスピーカーは隣の嫁さんのデスクにはみ出してしまいました。
写真で見ると迫力が伝わらないかもしれませんが、このモニターを前にして座ると、視界はほぼモニターで埋め尽くされます。
余分なものが目に入らず、集中して作業に取り組めそうです。
機種選定
液晶パネルの形
ウルトラワイドモニターは大きく分けると湾曲と平面の2種類のモニターがあります。
ゲームや映画を楽しむ事がメインで使用するのなら湾曲タイプがいいです。
しかし、湾曲タイプでExcelのシートを表示すると、線が曲がって見えてしまい、作業がしずらく感じました。
結論
ゲーム利用はメインではないので平面タイプのモニターにします。
液晶パネルの駆動方式
TN(Twisted Nematic)方式
TN方式は、電圧をかけ液晶分子をねじって(ツイストして)、光を遮断したり通過させたりして画面の明暗を変えます。
パソコンや携帯電話など、多くの液晶で使われ普及しています。
比較的安価で手に入れることができ、消費電力が少ないことがメリットです。
また、応答速度が速いのでゲームに向いています。
デメリットは視野角が狭いことで、斜めから見ると白っぽくなってしまいます。
VA(Vertical Alignment)方式
VA方式は、垂直になったり水平になったりすることで光を調整し画面の明暗を変えます。
バックライトの光を完全に遮断するので純粋な黒の表現ができます。
IPS方式より視野角が狭く、斜めから見ると白っぽくなってしまうのはTN方式と同じです。
IPS(In Plane Switching)方式
IPS方式は、液晶分子を回転させて、バックライトの光の量を変えます。
視野角が3つの中では最も広く色変化も少ないので、一番綺麗に色を表現できます。
結論
動画の編集をするので、発色が良いIPSパネルにします。
サイズ
今まで使っていたモニター
- 23.6インチ
- 521mm(横) x 293mm(縦)
- 1920×1080
- ドットピッチ 0.272mm x 0.272mm
LGの29インチ
初めは値段からLGの29インチを考えていました。
- 29インチ
- 673mm(横)×284mm(縦)
- 2560×1080
- ドットピッチ 0.2628mm×0.2628mm
今までのモニターより縦が1cm短くなってしまいます。
縦のドット数は同じなので、文字が小さくなります。
老眼で小さい文字が見にくいので、必然的に文字サイズを大きくすることになります。
そうすると、表示される情報量が少なくなってしまいます。
LGの34インチ
29インチでは小さいので34インチを検討します。
- 34インチ
- 799mm(横)×335mm(縦)
- 2560×1080
- ドットピッチ 0.312mm×0.310mm
縦が4cm長くなります。
これなら同じ感じで横が広がるでしょう。
一度現物を見てみようと思い、秋葉原へ出かけました。
画像はそれほど気にならないのですが、文字が荒く見えます。
わずかなドットピッチの差なんですがねぇ・・・。
多分、初めてのモニターがこれなら気にならないのでしょうが、細かいドットの文字に慣れてからだと気になります。
3440 × 1440
34インチのウルトラワイドモニターには3440×1440の解像度の製品があります。
- 34インチ
- 800mm(横)×335mm(縦)
- 3440×1440
- ドットピッチ 0.2325mm×0.2325mm
今までのモニターよりドットピッチが狭まるので、文字はよりなめらかで綺麗に見えます。
結論
34インチで3440×1440ドットのIPSパネルのモニターにします。
LG 34インチ 3440×1440 IPSパネル
当初予算の倍の金額ですが、これにしようと思いました。
しかし、在庫切れで、商品が届くのは1ヶ月以上先とのこと。
Dell 34インチ 3440×1440 IPSパネル
さすがに高すぎるなぁ・・・
結論
広視野角ADSパネル採用
UWQHD対応34型ゲーミングモニター「GigaCrysta」
LCD-GCWQ341XDB
これを買いました。
34インチで3440×1440ドットですが、IPSパネルではなくADSパネルです。
ADSパネルというものを知らなかったので調べました。
ADSパネルは、特許関係の問題などからIPSを名乗れない企業が生産している、いわば「ジェネリックIPS」です。(正確には電界の利用法が異なります)
液晶生産は品質管理が重要なので、大手グループが生産するIPSに比べると、品質(輝点・ドット欠け数など)が読めない部分はあります。
ただし、その分安いし、視野角はIPSと同等なので、コスパを重視したい方は検討対象でしょう。
出典:家電批評モノマニア
ADSパネルはIPSパネルと同じ駆動方式なので色は綺麗に表現できるようです。
1ヶ月待ってLGのIPSパネルにするか迷いました。
今まで使っていたフルHDのモニターを嫁さんが使う事になっているので、1ヶ月は待てず、これに決めました。
I・Oデータ ウルトラワイドモニター レビュー
開梱
荷物が届きました。
箱の両脇に取っ手が付いていて運びやすいです。
箱に取り出し方が書いてあるので、記載された方法で取り出します。
引っぱり出しやすいよう、手を掛けられるようになっています。
段ボールから引っ張り出しました。
パーツを取り出しました。
ずっしりと重いので測ってみました。
ネックが1.5kg、台座が1kgありました。
組み立て
箱に書かれている絵だけで判断して、サッとビニール袋を剥がすと危険です。
わたしは絵を見ただけで、パッとモニターを立ててビニール袋を剥がしました。
袋から出した後、液晶パネルに触らないという注意書きに気付きました。
幸いパネルを壊す事は無かったのですが、もし皆さんが購入した時は気を付けてください。
液晶パネルを傷つけないように、指示通り発泡スチロールの緩衝材に置いたまま、ネックをネジで取り付けます。
組み立て完了。
設置
今まではパソコン・Wii U・テレビの3つの入力をHDMIで行い、これを使って切り替えていました。
このモニターはHDMIが2つとディスプレイポートが一つ、計3つの入力があります。
HDMIで繋いでいたパソコン。
今度はディスプレイポートで繋ぎます。
Wii UとテレビをHDMIで繋ぎました。
これからは切り替えセレクター無しで、モニターのリモコンで入力の切り替えが出来ます。
設定
今までディスプレイの解像度は1920×1080が推奨でした。
フルHDモニターだったので、当然推奨の設定で使っていました。
ウルトラワイドモニターをつないだら、ディスプレイの解像度の推奨値が変わりました。
フルHDモニターに繋ぎ直してみたら、推奨の1920×1080以上の解像度は選択肢に現れません。
再度ウルトラワイドモニターをつないでディスプレイの設定を確認してみると、選択肢が増えています。
ウインドウズがモニターの解像度を自動で認識しているんですね。
解像度は推奨値の3440×1440に設定しましたが、ドットピッチが狭まったので文字が小さくなってしまいました。
老眼のおじさんには読みにくいので、テキストを125%に拡大しました。
表示できる情報量は減りますが、それでも以前より多くの情報を表示できるようになりました。
具体的には、フルHDが2,073,600ドットで、UWQHDは4,953,600ドットあります。
表示を1.25倍にするという事は、面積が1.25倍になるという事です。
縦と横を掛けて1.25倍にするので、縦と横のドット数がそれぞれ1/√1.25になります。
横のドット数3440を√1.25で割ると約3076。
縦のドット数1440を√1.25で割ると約1288。
ウルトラワイドモニターの125%拡大は、3076×1288の396万ドット換算になります。
125%に拡大してもフルHDの2倍近い情報量を表示できます。
フルHD100%でスプレッドシートを表示すると、列はAからNまでで27行表示されます。
378セルあります。
ウルトラワイドモニターで100%表示すると、列はAからZまで表示されました!
行は41行まで表示されます。
セルは1066ありますが、文字が小さくて使いずらいです。
今度はウルトラワイドモニターで125%拡大で表示してみました。
列はAからUの半分まで、行は29行表示されました。
フルHDと同じくらいの文字の大きさで580セル+Uの半分が表示されます。
左がウルトラワイドモニターの125%拡大、右がフルHD。
同じくらいの大きさに見えたけど、並べて見るとウルトラワイドモニターの125%拡大の方が大きい文字になっています。
読みやすくなったうえに多くの情報が表示出来て、作業効率がグ~ンとアップします。
今までのフルHDモニターでブログを書く時の画面。
ワードプレスを同じ広さで表示すると、左にはこんなにスペースが残ります。
縦も1080ドットから1440ドットへ増えた分、ワードプレスの表示領域が増えました。
今までは、写真を探して、リサイズして保存し、リサイズのフォルダを開くという作業をしていましたが、写真のフォルダとリサイズのフォルダを同時に開いて作業が出来るようになりました。
この記事はこんな作業環境で書きました。
今までは複数のエクスプローラーを表示させておくスペースが無かったので、最小化したエクスプローラーを切り替えて写真を探し、リサイズするたびに最小化しておいたフォトスケープを立ち上げて・・・という感じで作業していました。
今は、左のスペースに複数のエクスプローラーとフォトスケープを置いた状態で作業できるので、すごく作業効率が良くなりました。
テレビ
ウルトラワイドモニターでテレビを見るとどうなるのか気になっていました。
特に設定をしなくても、テレビはフルハイビジョンのアスペクト比で、上下はいっぱいに、左右は黒く表示されます。
Amazon Prime Video
Amazonプライム会員なので、Prime Videoをよく見ます。
フルHDで16:9のドラマを見ると画面全体で表示されます。
16:9のドラマをウルトラワイドモニターで見ると、テレビと同じように両サイドに黒い帯が表示されます。
シネマスコープサイズの映画をフルHDで見ると上下に黒帯が入ります。
ウルトラワイドモニターでシネマスコープサイズの映画を見るとほぼ画面全体で表示されます。
映画を家でも大迫力で見られます。
ゲーム
A列車で行こう9 ベンチマーク
A列車で行こう9v5Viewerは21:9のアスペクト比には対応していません。
ブラウザを最大にしてこの表示です。
ビュアーを走らせてみました。
途中、フレームレートが20以下になるところもありました。
平均46.9fpsでした。
初めてのBTOパソコンG-GEAR miniの実力 A列車で行こう9ベンチマーク
以前の記事でフレームレートを調べた時は44.8fpsでした。
同じフレームレートという事は、ただ拡大表示しているだけで、細かく描画しているわけではないようです。
ファイナルファンタジー15 ベンチマーク
ファイナルファンタジー15のベンチマークです。
解像度は『1280×720』『1920×1080』『2560×1440』『3840×2160』の四種類しか選択肢がありません。
全てアスペクト比16:9です。
ファイナルファンタジー15も21:9には対応していません。
1920×1080のベンチマークのフルスクリーン画像です。
1920×1080をボーダーレスで表示すると両脇に黒帯が表示されました。
2560×1440のボーダーレスは1920×1080と同じく両脇に黒帯が表示されました。
2560×1440のフルスクリーン表示はこのようになりました。
2560×1440のベンチマークの結果は『やや快適』。
WQHDでファイナルファンタジー15を高品質で快適にプレイするには、グラフィックボードをGeForce RTX 2080以上にしないと無理のようです。
フルHDデュアルモニター vs ウルトラワイドモニター
ここまで、ウルトラワイドモニターをこのような作業環境にして書いてきました。
これをデュアルモニターにすると・・・
こんな感じになると思います。
右をもう少し大きくしたいと思っても、間にモニターの枠がはいってしまうので見ずらくなってしまいます。
同じ情報量なら、デュアルモニターよりも融通の利くウルトラワイドモニターの方が使いやすいと思います。
感想
一度この環境で作業をしてしまうと、もうフルHDには戻りたくなくなる快適さです。
IPSパネルではなくADSパネルだということに少し不安がありました。
しかし、画質も色も問題なく綺麗です。
ドット欠けのチェックをしてみました。
残念なことに1ドットだけですが、円の中に光らない点がありました。
一応アイ・オー・データに問い合わせました。
1ドットだけならば許容範囲なので不良ではないとの事です。
ADSパネルは安いのですが、ドット欠けがどの程度発生しているのか気になります。
光りっぱなしのドットがあると目立ちますが、光らないので、チェックするまで気づきませんでした。
IPSパネルの製品では、メーカーによってドット欠け保障されている物もあります。
高くてもIPSパネルにするか安いADSパネルにするかは悩みどころですが、どちらにしてもウルトラワイドモニターはおすすめです。
LCD-GCWQ341XDBで一部不具合が見つかりました。
2021年8月に追加の記事を書きました。
購入を検討される際には下記の記事を読んで頂く事をおすすめします。
アイオーデータの21:9ウルトラワイドモニターの不具合