北斗星乗車記

DD51重連に牽かれて函館から札幌へ

ED79とお別れ


青森駅から函館駅まで引っ張ってくれた機関車は『ED79 20』でした。
青森駅は運転停止なので、乗車している北斗星からはED79を見られません。
北斗星に乗車して、自分を運んでくれたED79を見られるのは、函館駅で機関車を交換する間のわずかな時間だけです。
息子にはED79を撮るように言っておいたのに、撮ったのはこの1枚だけでした。
DD51は、この後札幌駅でも撮影出来るので、もっといっぱいED79を撮っておいてほしかったなぁ・・・。
まぁ、こういった後悔するような出来事も旅の思い出です。
11年後、息子がお酒を飲める歳になったら、「ED79の写真を撮れって言ったのに、おまえはたった1枚しか撮らなかったんだからなぁ」と、一緒に飲みながら愚痴をこぼそうと思います(笑)。

 

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函館駅を出発


発車のアナウンスがあったので車内に戻りました。
扉が閉まったのですが・・・
一人、撮影に気を取られて乗り遅れた男性がいました。
閉まった扉の前でオロオロしています。
このまま発車してしまうのかとハラハラしました。
しかし、たとえこのまま置いて行かれたとしても、それはそれで自業自得、しかたありませんね。
一人ホームに取り残されてから30秒程経ったでしょうか、再度扉が開きました。
男性は北斗星に乗り込む事が出来ました。
写真を撮りたい気持ちはわかるけれども、おまえはあのように迷惑を掛けるような事はしない様にと、息子に言い聞かせました。

ちょっとしたトラブルがありましたが、北斗星は2両のDD51に引っ張られ、6時51分、定刻を2分遅れで函館駅を出発しました。

 

わたしは結局ED79は見られませんでした。
残念!

が、北の大地に似合う、写真でしか見たことが無かったDD51をたっぷり見られました。

北斗星は再度進行方向を変え、11号車を前方にして函館駅を発車。
北斗星乗車からもうすぐ12時間が過ぎようとしています。
途中、4時間半寝ていたとはいえ、もう12時間も・・・。
早い、早すぎる。
なんで退屈しないんだろう?
わたしにも乗り鉄の素質があったのでしょうか。

函館駅で乗務員が交代します。
ここからはJR北海道の担当になります。

 

北斗星グッズ注文書


車掌さんが回って来て、はがきを配っています。
以前は車内限定販売だったのですが、北斗星の廃止が発表されて以降まとめ買いする人がいて、乗車したのに買えない人が多数出てしまい、車内でこのはがきを配って申し込みをする方法になったようです。
わたしは記念に懐中時計を買うつもりなので、はがきを貰って来ました。

 

朝食

次の予定は食堂車で朝食です。
食堂車は6時30分からです。
撮り鉄は機関車交換を撮影する為にホームへ降りていました。
しかし、乗り鉄の方々は機関車を見る事無く食堂車へ直行したようで、わたしたち家族が食堂車へ行った時にはすでに満席。
しかも、ロビーカーに順番待ちの列が出来ていました。
これは食堂車で食べる時間は無さそうだと判断して、車内販売で朝食を買う事にしました。
結局、食堂車のテーブルに付く事無く、北斗星を降りる事になりそうです。
こんな事なら、多少高くても予約できるディナーを食べるべきだったか・・・。

 


7時20分頃、カートを押して車内販売が回って来ました。
このサンドウィッチを3つ購入。

 


サンドウィッチはポテトサラダ・タマゴ・ハム・カツの4種類とチーズ・プチトマト・キウイが入っていました。

息子は卵アレルギーでした。
現在はアレルギー反応は出なくなったのですが、依然卵を食べようとはしません。
食べないのなら単に残せばいいだけなのですが・・・

「ぼくたまご食べないからあげる」と、嫁さんにタマゴサンドを渡しました。
「じゃあ貰うね。どうも」
「おかあさんはキウイも好きだったよね。だからキウイもあげる」
「食べないの?なら貰うね。ありがとう」
「ぼくもキウイを食べたかったけどおかあさんにあげたんだから、カツをちょうだい」
「えぇ~っ!」
隣で聞いていたわたしは大笑い。
「嫌いなものをあげただけじゃカツをくれとは言えないけど、好きなものもあげたんだから言ってもいいよな」と、息子を援護。
嫁さんは涙目に(笑)。
「おまえ、交渉上手だなぁ。キウイをあげて喜ばせておいてからカツをくれなんて」
「カツがメインなのに、キウイを貰っちゃったからしょうがないわ」と、渋々カツサンドを息子にあげてました(笑)。

 

車窓


いかめしで有名な森駅に停車。
ここにも撮り鉄の姿が。

 


森駅は海のすぐそばでした。

 


あまり寝ていなかった息子はひと眠り。
寝相の良くない息子は落ちそうになりましたが、転落防止のベルトに引っかかって助かってました。

 

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洞爺駅、伊達紋別駅と停車。
函館のあたりは雪が積もっていましたが、このあたりは雪がありませんでした。
北海道在住の嫁さんの友人によると、このあたりは「北の湘南」と呼ばれているそうです。
伊達市は活火山の有珠山と波穏やかな内浦湾に囲まれ、対馬暖流の影響を受けて、北海道では一年を通じて比較的温暖な上、雪が少ない地域のためにこう呼ばれているとの事。

 


息子が寝る時にいつも枕元に置く『ぴよ』。
荷物を少なくしたかったのですが、どうしても連れて行くというので持ってきました。

伊達紋別駅を定時の9時16分に発車。
9時30分からのシャワー券を購入した嫁さんはロビーカー内にあるシャワーへ。
わたしは青函トンネルの通過を見る為にロビーカーへ行っただけで、あとはず~っと寝台にいました。
嫁さんがシャワー室へ行くので、後を付いていって車内を見て回ろうと思い立ちました。

 

北斗星の車内を見学

10号車『オロハネ24 554』


隣の10号車。
北斗星で一番高級なロイヤルの車両。
木目調で落ち着いた雰囲気。

 

8号車『オロネ25 505』


ツインデラックスの車両。
ロイヤル車両の木目調とは打って変わって白い内装。

 

7号車『スシ24 504』


7号車は『グランシャリオ』というレストランの食堂車。
利用できなかったのは残念。

 

6号車『スハネ25 503』


6号車がシャワー室のあるロビーカー。

 


飲み物の自動販売機があります。

 


シャワー室の写真を撮って退室。
嫁さんはシャワーを浴びます。
わたしは1号車まで行ってみる事にしました。

 

3号車『オハネ25 563』


4号車と3号車はB寝台個室のデュエットが各十三部屋。
個室の鍵には通常の鍵のほか、カードキーとナンバーキーの部屋があります。
ここはナンバーキーですね。

 

1号車『オハネフ25 8』


1号車は11号車と同じ開放寝台ですが、寝台と通路の間に扉があって鍵を掛ける事が出来ます。

 

もうすぐ札幌


嫁さんがシャワーから帰って来ました。
あと1時間ほどで札幌です。

北斗星に乗るまでは、いや、乗ってからもしばらくは退屈するだろうと思っていました。
ゆっくり本を読めると思ったのに、結局本は出さずじまい。
16時間も狭い寝台に居たら、列車に乗るのは流石にお腹いっぱいで、もう二度と乗ろうとは思わないだろうと考えていました。
ところが、いざ乗ってここまで来てみると、退屈するどころかもっと乗っていたいと思い始めました。
何をしたという事もなく、ただぼけ~っと車窓を眺めていただけなのですが、列車の旅は楽しいものだと実感しました。

 


札幌の隣、苗穂駅を通過。
いよいよ北斗星の16時間が終わろうとしています。

 

さよなら北斗星

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