飛車落ち指導対局

飛車落ち 第百六十九局 藤森奈津子女流四段戦

LPSA金曜サロンの様子


この日はサロン到着が少し遅れて、四面での指導は始まっていました。
植山先生と奈津子先生、サロン常連の会員さんにご挨拶。

 


「このあいだのNHKで読み上げをしている奈津子先生が映っていましたね」
「見てなかったんですけど、いつ頃のものでした?」
「確か平成5年となっていたので、17年前ですね。過去形にするのは語弊がありますが綺麗でしたねぇ。いえっ、決して今の奈津子先生が綺麗じゃないと言ってるんじゃないですよ(笑)。17年前というと、今のペコ先生やあっこ先生と同じくらいの年齢ですよね。当時の奈津子先生がそのまま今のLPSAにいたら一番の人気棋士になっていたんじゃないですかね」
「そうですか~(笑)?随分前なので、どんな感じだったのか覚えてないですけど…」
本当に綺麗でしたねぇ。
まだ将棋を始める前だったので、その頃は女流棋士という存在さえも知りませんでした。
当時の奈津子先生を知っていたら、もっと早く将棋に興味を持っていたかもしれませんね。

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藤森奈津子女流四段戦


奈津子先生との十六局目となります。
女流四段の奈津子先生との初対局です。
それでは飛車落ち卒業を賭けてのサイン勝負を見てください。
 

 

いつものように定跡手順で▲7九角と引いたところで、奈津子先生は△4五歩と変化してきました。
大介先生と同じ様に△4四角型もあるかと思いました。
角成を受けて▲7七銀の一手に奈津子先生は△5五歩と突っ掛けて来ました。
本譜はここで▲5五同歩△同角としてから▲2四歩△同歩▲同角と2筋の歩を切りましたが、▲5五同歩と取らずに、ここで▲2四歩と行けば角交換になっていました。

 


なるほど、2二ですか・・・。
△2三歩に▲4二角成と行くつもりでした。
それならば▲5七角から▲6六角とぶつけて角交換を迫りますか。
角は追われてから引く事にして、▲5七銀から▲5六銀と角を苛めにいきました。

 


5筋に銀を進出してから▲5八飛と回って中央の攻めを見せました。
△2三歩と角を追われたので、予てからの狙いの▲5七角から▲6六角とぶつけたところです。
ここで奈津子先生は角を6二に引いて角交換を避けました。
そこで▲5四銀と出ました。
▲4四銀から▲3三銀成と銀桂交換して▲5四桂の狙いです。
しかし、一本調子の薄い攻めなので、受け止められてしまうと居玉の為に反動がきつくなると思い、玉を囲うことにしました。

 


一瞬飛車先が重くなるのですが、次に▲4四銀と出て▲5三歩成と攻めるために▲5四歩と垂らしました。
そこで奈津子先生は△5二歩と受けました。
受けられてはすぐに5筋からの攻めはないので、▲3八飛と回って今度は桂頭を狙いに行きました。

 


わたしが3筋の歩を伸ばすと奈津子先生は△7四歩から△7三角としてきました。
ここは悩みました。
▲5五銀と引いて、▲3四歩からゆっくり桂得しようと思いましたが、▲5五銀には△6四歩と突かれます。
これは次の△6五歩を見せられてシビレてしまいます。
▲5五角△同角▲同銀は、△2七角から馬を作られてから飛車を苛められそうで指せませんでした。
同じ馬を作られるのならと、▲3四歩△1九角成と攻め合いました。

 


攻め合いで飛車と金銀の二枚換えの順もありましたが、飛車を逃げて香と金の交換になり、手番も握っている局面です。
奈津子先生のと金の方が玉に近い分働いていますが、馬の働きがイマイチなので下手良しだと思います。
実戦は美濃囲いアレルギーの為か▲9五歩と端に手を付けましたが、△6四香▲5五角に△5六桂と急所に手が付いてあやしい雰囲気になってきました。
ここは▲8六桂と打って上手の応手によって攻めを考えれば下手十分の形勢でした。
居飛車党のわたしは普段美濃囲いを相手にする事が多いのですが、横からの攻めが間に合わないで負けるケースがよくあります。
この将棋が平手で、後手が2八に飛車を下ろしていたとしたら振り飛車の優勢でしょう。
しかし実際は飛車はいないので、横からの攻めでも下手が勝っている局面だったかもしれません。

 


▲8六桂に対して6八で清算して△5八とと迫って来ました。
本譜は▲8五桂と打って攻め合いに出ましたが、ここは▲7九銀と手を戻しておくほうが良かったです。

 


奈津子先生は△6八とと王手で銀を取り、▲同玉に△8四銀と入手した銀で受けに回りました。
この手は▲8五に桂を打つ時から読んでいました。
次の一手は、▲3九飛!
飛車の只捨てです。
△同馬と飛車を取ると、馬筋がそれて▲7四桂△7一玉▲8二金までの詰みです。
奈津子先生もこの手は読んでいなかったようで「そうかぁ…、なるほど…、取れないのかぁ…」と呟いて△5六馬と逃げましたが、▲5七金と打って△同馬▲同玉と馬を消す事が出来ました。
しかし、▲3九飛は危険な手でした。
△5七金▲同玉△3九馬と王手で取られる順がありました。
▲3九飛では▲9三金と俗手で攻めれば下手の大優勢でした。

 


馬を消された奈津子先生は△8五銀と桂馬を外して詰めろを逃れました。
次に▲8五桂と活用できるので、銀取りに▲7七桂と跳ねて△8六銀▲同歩と進みました。
そこで奈津子先生に△4五金と打たれて逆転してしまいました。
▲7七桂では△4五金を打たせないように▲4六玉と入玉含みの早逃げをしていれば、まだ下手が残していたようです。
実戦は角を取らせても勝ちだと思って▲8五桂と跳ねて攻め合いました。
奈津子先生は▲8五桂に△5六歩を利かせてから角を取りました。
わたしは▲6三成銀から7三で清算して上手玉に迫りました。

 


今▲4四角と王手金取りに打った手に△5三桂と合い駒をしたところです。
わたしは5五の金を抜いてしまえば、△3九角成と飛車を取られても上部脱出して勝ちだと思っていました。
この読みは5三の合い駒は角に当てて金か銀を打つという勝手読みからのものでした。
この時は桂馬を合い駒に使った意味を理解していませんでした。
本譜は▲5五角と金を取った手に…

 


わたしの読みはここから▲7三銀△5二玉に▲3三角成で一手勝ちというものでした。
もう一度玉の逃げ道を確認しました。
4六、4五、3四と逃げられると思っていたら、合い駒の桂が4五に利いていて逃げられないじゃないですか!
わたしは桂馬の利きに気づいて、ここで投了しました。
棋風とはいえ攻め合ったのが敗因でしたね。

奈津子先生の卒業試験はいつになったら合格できるのでしょうか…。

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感想戦


奈津子先生が四段の免許状を見せてくれました。
宏美先生、真由美先生に次いで、LPSA三枚目の免許状です。
三枚のうち二枚が引退で昇段というのは寂しいのですが、真由美先生も奈津子先生も普及の為にこれからも頑張って頂きたいと思います。

 


この素敵な笑顔を見ると、「わたしがLPSAで一番優しいのよ」という言葉に納得させられそうですが、わたしへの指し手は全然優しくないんですよねぇ(笑)。

奈津子先生、ご指導ありがとうございました。

 

対局情報

対局日 :2010年4月23日
棋 戦 :LPSA金曜サロン
対局場所:LPSA駒込

飛車落ち対戦成績

対女流棋士:65勝76敗

藤森奈津子女流四段
○○●○○●●●○●
●○●○●●
中倉彰子女流初段
○○○○●●○○●●
松尾香織女流初段
○○○●●○●○○●
●●○●○●○●○
神田真由美女流二段
●●○○○○
島井咲緒里女流初段
●●●○○○○●●○
大庭美樹女流初段
●○○○●○●●○○
中井広恵女流六段
●●●●○●○
石橋幸緒女流四段
○○●●●
中倉宏美女流二段
○○●○●●○●●○
○●●
藤田麻衣子女流1級
●●○○●●○●●○
●○
北尾まどか女流初段
●●●●●○
船戸陽子女流二段
●●●●●○●○●●
対プロ棋士:6勝22敗

植山悦行七段
●○●●●
大野八一雄七段
●●●●●●●●○●
○●●
合計成績:71勝98敗 

 
 
 
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