飛車落ち指導対局

飛車落ち 第百六十五局 藤森奈津子女流三段戦

金曜サロンの様子


二部担当は、自称『LPSAで一番優しい』奈津子先生です。
あくまでも自称なので、本当かどうかは分かりません(笑)。
このブログを見ている方は当然LPSAのホームページも見ていると思いますが『教室ブログ』も見ているでしょうか。
こちらに奈津子先生から、この日のわたしとの指導対局の事がコメントされています。
コメントに出てくる『F』というのはわたしの事です。

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藤森奈津子女流三段戦


奈津子先生との十五局目となります。
当然の事ながら、用意の作戦がある事など露知らずサイン勝負を挑みました。
飛車落ち卒業扇子に塾長のサインは欠かせませんからね。
局面図での紹介になりますが、四面指しでの奈津子先生との将棋を見てください。
 


わたしはいつも通りの出だしですが、奈津子先生のこの金上がりがいつもと違うので『あれっ?』と思いました。
卒業試験という事で指し方を変えてきたのでしょうか。
この手では△4二銀と上がり、△4三銀~△6二玉~△7二玉というのが今までの奈津子先生の指し方でした。

 


えっ?そこへ金を上がるんですか?
狙いが分かりませんが、金が上擦ってスキが出来そうだなぁと感じました。

 


金銀を集めて右辺を固め、飛車先は破らせないという事なんでしょうか。
わたしはあまり考えずに、ここで▲2四歩と角交換を迫りましたが、これが疑問手でした。

 


角交換をしてすぐに奈津子先生は△8八角と打ち込んできました。
普通は▲7七角と合わせれば何でもないので、この手は警戒する必要がありません。
そうは思ったのですが、プロが指すのだから他に狙いがあるかも知れないと、一応確認する事にしました。
「なるほどぉ、そういう事を考えていたんですかぁ」
奈津子先生の狙いはすぐに分かりました。
「このあいだね、永瀬君に教わったんです」
「あぁっ、ずるい!(笑)」
わたしはここで長考に沈みました。

奈津子先生の狙いは▲7七角に△同角成ではなく、△9九角成と香を入手して、▲同角に△2三香で飛車を召し取る事でしょう。
感想戦で植山先生が「▲2四歩の前に一手▲7七銀と上がっておけば何でもないですよ。上手は△4二角でしょうが、▲2四歩△同歩▲同角に△3三桂と跳ねるんですが、角を引いて玉を囲えば、上手は固くしずらいので下手十分でしょう」とのアドバイスを頂きました。
このブログを見て飛車落ちで引き角を指そうと思っている人は、角交換する前に△8八角の筋を確認してからにしましょう。
特に奈津子先生には気をつけましょう(笑)。

マンデーレッスンに永瀬拓矢四段がゲストで来た時に、永瀬四段が指したこの△8八角を奈津子先生は見ていて、指してみようと思ったようです。

初めは▲2八飛△9九角成▲7七桂で、馬を閉じ込めてしまえば指せるかもしれないと思いましたが、冷静に△2三歩と飛車先を止めてから、△9八馬~△9七馬で馬は自由になるし、△7四歩から△7五歩と桂頭を攻められても悪そうです。
飛車を引いて悪いのなら飛車角交換するか、それとも他の手があるか…。

 


「いやぁ~、しょうがない」と言って▲7七角と合わせました。
「えぇ~い!」と言って△9九角成。
▲同角に奈津子先生は入手した香を打ちました。

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わたしはこの手に託しました。
「う~ん…、そうかぁ、そういう手があるのかぁ」と、奈津子先生。
「いやぁ、どう指して良いか分からなくて、無理やりひねり出しました」
△2四香には▲3二角成から金か銀をもう一枚とって二枚換えになりそうです。
△3三金上には▲2三角成△同銀に▲2八飛と逃げて駒の損得無しです。
読みの本線は△4二金引でした。
「どうしよう…。こうかなぁ」と言って△4二金引。
「それだとこう取って…」と、▲4二角成。
「うん」とうなずいて△同金と取って、「そう取って逃げちゃうのね」と言われながら▲3四飛。
「これが金取りの先手なので逃げられるんじゃないかと」

 


飛車は取られずに済みました。
下手からは次に▲4四角△同銀▲3二飛成の狙いがあります。
ですからその筋を受けるかと思っていました。
奈津子先生は「どうなんだろう。ここまでは教わってなかったんで…」と言って、△2七角と打ってきました。
なるほど。
▲4四角には△3六角成▲3三角成△同桂▲3六歩。
駒割りは金銀と飛車香交換。
角金銀と持っていて、上手玉の薄さを考えるとその順でも指せていたかもしれません。
実戦は9九の角筋を通させる為に△4五歩と突かせるのが得と考えて、▲4六飛△4五歩▲3六飛としてから飛車角交換になりました。

 


奈津子先生は飛車角交換から香を成り込んで来ました。
わたしはこの角打ちで馬を作れば何とかなるのではないかと考えました。

 


▲6一金を受けて△7一桂と受けてきました。
桂馬を持っていれば▲4四角とかと指していたかも知れません。
本譜は▲2二角成△同金▲4一銀と詰めろをかけましたが、△6四歩と逃げ道を開けられて寄せが分からなくなってしまいました。

▲2二角成では▲6五馬と引いて、次に▲4三馬と入れば詰めろで、下手がかなり優勢になっていました。
また、▲4一銀では▲8二銀△同銀▲同馬と守りを剥がす方が良かったです。
感想戦でも角を切ったのは指し過ぎだったかということでした。

 


しばらく進んで、▲4二成銀と寄って詰めろを掛けた手に△7四歩と逃げ道を開けたところです。
▲4六銀と歩を払っておけばまだ下手が指せる形勢でしたが、金二枚に守られているという安心感から、自玉の危険を全く察知していませんでした。
ここで▲8三金と縛った手に対し△4七歩成。
これが詰めろだとは気付いていませんでした。
わたしは▲5二成銀から清算して、▲4一角と打ちました。

 


▲4一角の王手に△6二玉と逃げた局面です。
一切自玉を見ていなかったわたしはここで▲3四馬と詰めろを掛けました。

 


奈津子先生は「合い駒が無いっていう事は…」と言いながら△5七香!
「そうかぁ!負けました」
「角合しか無いなぁと思っていたんですよぉ」
「なかなか卒業させてくれないなぁ(笑)」

奈津子先生は「一度しか通用しない作戦ですけどね」と言っていましたが、色々な戦法があって、やっぱり将棋は奥が深くて面白いですね。
奈津子先生に将棋の楽しさを再認識させて頂いた指導対局でした。

奈津子先生、ご指導ありがとうございました。

 

対局情報

対局日 :2010年3月19日
棋 戦 :LPSA金曜サロン
対局場所:LPSA駒込

飛車落ち対戦成績

対女流棋士:64勝73敗

藤森奈津子女流三段
○○●○○●●●○●
●○●○●
中倉彰子女流初段
○○○○●●○○●●
松尾香織女流初段
○○○●●○●○○●
●●○●○●○●
神田真由美女流二段
●●○○○○
島井咲緒里女流初段
●●●○○○○●●○
大庭美樹女流初段
●○○○●○●●○○
中井広恵女流六段
●●●●○●○
石橋幸緒女流四段
○○●●●
中倉宏美女流二段
○○●○●●○●●○
○●●
藤田麻衣子女流1級
●●○○●●○●●○
●○
北尾まどか女流初段
●●●●●○
船戸陽子女流二段
●●●●●○●○●●
対プロ棋士:6勝22敗

植山悦行七段
●○●●●
大野八一雄七段
●●●●●●●●○●
○●●
合計成績:70勝95敗 

 
 
 
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