北斗星とお別れ 北海道撮り鉄旅の始まり
3月4日11時34分、札幌駅3番線ホームで北斗星に別れを告げました。
この旅行の目的は北斗星に乗る事です。
北斗星の切符を手配出来た当初は、ここから旭川へ移動して、翌日には東京へ帰るというものでした。
北斗星乗車が目的の旅ならばそれもありだったなと、帰宅後、写真を整理していて思いました。
北斗星を見送った今は北海道に着いたばかりで、5泊6日の旅はこれから始まります。
ツインクルプラザ札幌支店で切符の手配
札幌駅でまずしなければならないのが切符の入手です。
切符はツインクルプラザ札幌支店で受け取る事になっています。
北海道に縁もゆかりもなかったわたしは『ツインクルプラザ』という名称を初めて聞きました。
どうやらJR東日本の『びゅうプラザ』と同じようなもののようですね。
札幌駅構内にあるツインクルプラザ札幌支店へ向かいました。
北海道は暖房をガンガンかけているので、室内は暖かいと聞いてはいましたが、まさかここまで暑いとは・・・。
北海道とハワイが扉1枚で仕切られているかのようです。
ツインクルプラザの出入り口の自動ドアがどこでもドアなんじゃないのかと思うほどの温度差です。
カウンターに近付いて行くと窓口の女性スタッフさんが「こちらへどうぞ。どんなご用件でしょうか」と対応してくれました。
この女性が半袖のブラウス姿だったので驚きました。
この旅行会員券は手元に残ったものです。
同じような内容が書かれたバウチャー券を対応してくれたスタッフさんに渡しました。
バウチャー券と引き換えに北海道フリーパスを受け取りました。
北海道フリーパスは北海道内の普通列車と特急が乗り放題。
更に指定席が6回まで使えるという切符です。
5日間用が22000円で6日間用が23000円です。
4日から9日までの6日間電車に乗るので6日間用がよかったのですが、この北海道フリーパスは利用日の前日までに発券してもらわなくてはなりません。
事前に発券する事は出来ないので、翌日の5日からのフリーパスとなりました。
北海道フリーパスには子供料金の設定はありません。
この北海道フリーパスで乗車する予定の運賃は大人一人38840円なので、16840円お得です。
しかし、息子の運賃は小人料金なので20000円ほどで済みます。
北海道フリーパスを使うと千数百円損する事になりますが、毎回切符を買う手間が掛かる事と予定変更になった時の事を考えて、三人共フリーパスを使う事にしました。
予定の指定席を確保
北海道フリーパスを受け取ったので、次は指定席の確保です。
「指定席はみどりの窓口で取るんですか?」
「みどりの窓口でも出来ますが、こちらでも出来ますよ」
「そうですか。ではお願いします」
前もって旅行プランを考えて、どの列車で指定席を使うか決めていました。
「まずは6日の北斗12号で、札幌から登別までお願いします」
スタッフさんは指定券申込用紙に列車名を記入しました。
「次は7日のスーパー北斗1号、登別から札幌です」
「はい」
「次が同じく7日のスーパーカムイ13号、札幌・旭川」
「はい」
「それから、8日の・・・」
指定席を取る6本の特急名と利用区間をスタッフさんに伝えました。
指定券申込用紙に6本分記入したスタッフさんはカウンターから奥の発券機へ行き、カタカタとキーボードを叩いて、18枚の指定券を持って戻って来ました。
最初に6日の北斗12号の4号車7番A・B・Cの3枚の指定券をカウンターに並べて、間違いが無いか確認します。
「6日、北斗12号、札幌、登別。間違いありませんね」
「はい」
「前後に並んだ窓側2席は空いていなかったので、通路を挟んで3席横並びになりました」
「はい。座れればどこでも構いませんよ」
スタッフさんは列車に間違いが無い事を確認して、3枚の指定券をクリップで留めました。
また3枚の指定券を並べて確認です。
座席は1号車5番C・6番B・Cでした。
「7日、スーパー北斗1号、登別、札幌。間違いありませんね」
「はい」
「この列車は混んでいるみたいで、窓側は空いていませんでした。申し訳ありませんが3席共通路側になりますが、よろしいですか?」
「えぇ、どこでもいいですよ。もしまとまった空席が無ければ3人バラバラでも構いません」
自由席に立って乗車するのは大変なので、座れさえすればいいと思っての指定席利用です。
初めから窓側かどうかは全く気にしていませんでした。
もちろん通路側でもいいので、スーパー北斗1号の指定席はそのまま確保してもらいました。
これも3枚の指定券をクリップでひとまとめに。
札幌~旭川のスーパーカムイ13号は4号車3番C・D、4番Dで、「これは窓側2席取れました」と、スタッフさん。
わたしはリクエストをしたわけでは無いのですが、スタッフさんは気を利かせて、窓側2席とその隣1席を取ってくれました。
オホーツク1号。
2号車2番C・D、3番Dで、これも窓側2席。
網走からの帰りは3号車10番A・B、11番A。
やはり窓側2席を取ってくれました。
4号車6番A・B、7番Aで、窓側2席。
指定席利用を予定していた特急6本は全て確保できました。
わたしは乗車時間の長い列車で指定席を6回使う事にしました。
しかし息子は、空港へ行く快速エアポートは混雑していて座れないかもしれないという情報を入手していて、エアポートの指定席を取った方が良いと言っていました。
朝の通勤通学ラッシュの時間帯ならその方が良いのかもしれませんが、新千歳空港へ行くのは11時台の列車なので、座れないという事はないだろうし、たとえ座れなかったとしても30分くらいなので、立って我慢しようと思います。
快速エアポートの指定席はUシートと言って、大人310円、小人150円で利用できます。
列車の混み具合と当日の疲れ具合を見て、どうしても座りたいと思ったら、現金でUシートの切符を購入すればいいでしょう。
東京で暮らしていて、特別鉄道に興味の無いわたしには、電車は10両以上繋がっている事が普通です。
最寄りの鉄道は東武ですが、ここの特急スペーシアは6両編成で、すごく短いと感じていました。
今回北海道へ旅行するにあたり特急の事を調べてみたら、北海道の特急は5両で、内指定席が1両という編成が多いようです。
自由席が4両しかないので、座る為には相当早くから並ばなければならないと思いました。
座席確保のためにホームで30分待つのなら、快速エアポートで30分立っていても変わりはないでしょう。
そう考えて、指定席利用の列車はこの6本にしました。
ツインクルプラザ札幌支店の天使
指定席の確認は済みました。
時間にして10分位だったでしょうか。
ツインクルプラザに入って直ぐダウンジャケットは脱ぎましたが、それでも暑くて、途中でフリースも脱ぎました。
『冬の北海道旅行 服装』で旅行前に調べていました。
地元の方の「室内は暖かいので、すぐに脱ぎ着できるものを重ね着する」という意見を見て、セーターしか持っていなかったわたしは、この旅行の為にフロントジップのフリースを購入しました。
北海道に着いてすぐ、ナイスアドバイスだったと思いました。
「東京の人間からすると冬の北海道は極寒の地というイメージなんですけど、半袖で仕事をしているのでびっくりしました」
「外は寒いですけど中は暖かいですから。長袖では少し動くと汗をかいてしまいます。通勤の時は厚手のものを重ね着していますけれども」
「すぐに脱げるものが良いと聞いていたのですが、本当にそうですね。ここまで暖かいとは思っていませんでした。東京だと室内でもセーターを着ていますからね」
「私は冬に東京へ旅行した時、北海道より寒いと思いました」
会話をしながら札幌の旅行ガイドと『ツインクルジョイクーポン』を渡してくれました。
『ツインクルジョイクーポン』とは提携しているお店で使える金券で、1枚550円として利用できるものです。
この『ツインクルジョイクーポン』を一人2枚、計6枚貰えました。
これは聞いていなかったので驚きました。
北海道キヨスクや札幌・釧路・旭川駅のお弁当屋さんなどの他、小樽や函館の飲食店、さらに函館のタクシーでも使えるそうです。
お土産や駅弁を買う予定なので、その時に使いましょう。
嬉しくなったところでフリースを着ようとしたら・・・
「指定席はこれだけでよろしいですか?」
えっ?
思いもよらぬ問い掛けに一瞬戸惑いました。
いち・に・さん・し・ご・ろく。
どれか抜けていて5本の特急の指定席しか取れていないのかと思い数え直してしまいました。
確かにクリップで留められた指定券の束は六つあるよなぁ。
「これで指定席6回ですけど」
「はい。その他にはありませんか?」
フリーパスでは指定席を6回使用出来ますが、その他にもお金を払って指定席を利用するのなら、今席を取って発券しますという意味で聞いたのでしょう。
「フリーパスは指定席6回までなので、これだけでいいです」
「いえ、これはびゅうのフリーパスなので、指定席の回数に制限はありませんよ」
えぇ~っ?なんと!
『ツインクルジョイクーポン』のお小遣いだけでも得した気分になっていたのに、制限無しに指定席が利用出来るとは!
旅行から帰って北海道フリーパスの事を調べてみましたが、JR北海道のホームページには確かにフリーパスは6回までと書いてあります。
JR東日本のホームページにも指定席を6回使用出来ると書いてあります。
どうやら、びゅうが販売するJRと宿泊がセットになったパック旅行の企画では、指定席無制限利用のフリーパスが販売されているようです。
このフリーパスはあくまでもパック旅行の商品の一部で、単品では購入出来ないようです。
びゅうのホームページを見ても、北海道フリーパスの指定席利用制限についての記述は見当たりませんでした。
JR北海道のフリーパスに遠慮をして、表立っての宣伝はしていないのかもしれません。
「指定席は6回までだと思っていたのですが、使えるのなら他にもお願いしていいですか」
「はい、どうぞ」
笑顔で答えるスタッフさんが天使の様に見えました(笑)。
息子が座れないかもしれないと心配していた新千歳空港行きの快速エアポートを含め、3本の列車の指定席を追加出来ました。
スタッフさんの「他にはありませんか」の問い掛けが無かったとしたら、利用できる事を知らぬまま、6回の指定席利用に満足してツインクルプラザを後にしていたでしょう。
もし隣の窓口だったら、この3種類の指定券は手にしていなかったかもしれません。
列車ごとに3枚ずつの指定券をクリップで留め、利用日ごとに分けて封筒に入れてくれました。
「知らないで6回分だけの指定席利用になるところでした。教えて頂いて助かりました。追加でお手数を掛けてしまい申し訳ありませんでした。本当にありがとうございました」
「いえ、そんな、特別な事をしたわけではありませんから。北海道が良い思い出となりますよう、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
追加を含めて15分くらいスタッフさんを占領してしまいましたが、面倒くさがる事もなく、当然の対応をしただけという態度で挨拶をしてくれました。
北斗星の入線が見られなかった・・・
グランシャリオが利用できなかった・・・
雪の為の徐行で函館での停車時間が短くなりED79を見られなかった・・・
旅の始まりはつまずきましたが、思わぬプレゼントにラッキーな気分になりました。
スタッフさんの素晴らしい応対に感謝しつつ、常夏のツインクルプラザからどこでもドアを抜けて真冬の札幌へ。
いや、東京の人間には真冬に感じても、現地の人には真冬の厳しさではなく、暖冬で過ごしやすく感じているとの事でした。
メインイベントの北斗星乗車は終わりましたが、北海道撮り鉄旅はこれからです。
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北海道撮り鉄旅の始まりは札幌ラーメンから