飛車落ち指導対局

飛車落ち 第二百九局  藤森奈津子女流四段戦

芝浦将棋フェスタの様子


2011年6月19日、『芝浦将棋フェスタ』に行ってきました。
 

いつものサロンは2階なのですが、今日のイベントは7階です。
その2階のサロンでは『第5回小学生女子名人戦・第3回中学生女子名人戦 東京大会』が行なわれていました。
 

7階に上がり会場へ。
奈津子先生が受付を担当しています。
朝のご挨拶をして受付をします。
『芝浦カップ団体戦』に参加です。
これは3人でチームを組んで対戦し、三対局のうち二勝以上したチームが勝つというトーナメント戦です。
メンバーの三人ともサロンの常連なので、奈津子先生は当然名前も棋力も分かっています。
チーム名を見て「『レイ&ダブルトラブル』? KKさん俊さんがトラブルメーカーっていうことですか?(笑)」
「いえいえ、指し手にトラブルを抱えているのはわたしだけです。そういう名前のバンドがあって、そこから名前を付けました」
 

わたしがハンドルに使っている『RAY』はギタリストの『Stevie Ray Vaughan』から取ったものです。
このチラシはStevie Rayが1985年に初来日した時の物で、中日(なかび)の1月24日のライブを見に行きました。
来日から5年後にヘリコプター事故により35歳の若さで亡くなってしまい、2度目の来日は果たせず。
もう一度観たかったなぁ…
残念。
 

トーナメント表はすでにできていました。
わたしがトーナメント表を覗いていると「一回戦の相手はJALの方達のチームみたいですよ。飛行機のマークから『鶴の舞』と名付けたのかしらね」と、奈津子先生。
チーム表を見ると、三人共棋力の欄に『四段』と書かれています。
四段を三人揃えて来るチームは無いんじゃないかと思っていたので驚きました。
これは最初から厳しい戦いになりそうです。
わたしの負けは織り込み済みなので、どちらにしろチームの勝敗はKKさんと俊さんの調子次第ですね。
 

チャリティーボックスも置かれていました。
一手一円ということなので、一局60手の三局で180手。微々たる物ですが100円玉二枚入れてきました。
 


いでぽんさんの司会進行で大会開始。
審判長の奈津子先生から開会の挨拶。

 

芝浦将棋フェスタ一回戦

それでは一回戦、『鶴の舞VSレイ&ダブルトラブル』の将棋を見てください。
我がチームは大将がKKさん、副将が俊さん、足軽(笑)がわたしというオーダーです。
わたしは四段のTさんとの対局です。
 

 

結果は順当でしたが、四段相手に序盤はなんとか離されずに付いて行く事が出来ました。
感想戦の最後に「本当に1級なんですか?」と訊かれました。
「はい。ただ植山七段から初段と認定していただいて、サロンや連盟道場では初段で指しています。しかし、いつも通っている大野教室では、教室生徒の高段者から『私に二枚落ちで勝てないと初段は認められない』と言われていて、その棋友に勝つまでは棋力は1級と言っています」
「いやぁ、初段より強いですよ。もっと上だと思いますよ」
大野先生からも「序中盤は互角に指せていたので自身を持っていいですよ。強くなってますよ」と言って頂きました。
相手の段位に気押されてはいけませんね。

当初の予定通り(笑)、KKさんと俊さんが勝って、チームは2勝1敗で準決勝進出しました。
KKさんと俊さんは流石に強いですね。
チームメイト『ダブルトラブル』がトラブルを起こさずに勝って準決勝です。

鶴の舞チームのみなさん、ありがとうございました。

 

芝浦将棋フェスタ準決勝

準決勝の相手は『所沢こども将棋クラブチーム』です。
小学生三人のチームで、三人共1級です。
KKさんと俊さんは飛車落ち上手を持っての対局になります。
これは厳しいかなぁ。
わたしは平手です。
駒落ちは上手から指しますが、平手が一局あるのでKKさんが振り駒。
またしてもと金が三枚で偶数先。
二局続けて後手になりました。
それではN1級との準決勝です。
 

 

111手目の局面で詰ませられないといけませんね。
そんなに難しい手順ではないのですから。
ちょっと悔しい敗戦でしたが、飛車落ち上手の二人は大人気無く(笑)勝っていました。
俊さんの辛い差し回しにKKさんがつっこんでいましたが、俊さんは「社会の厳しさを教えたんです」と笑っていました。
まさか本当に予定通り2勝1敗で決勝まで進めるとは思いませんでした。

所沢こども将棋クラブの選手達、おじさんに付き合ってくれてありがとうございました。

 

芝浦将棋フェスタ決勝

予定通り(?)2勝1敗を続けて決勝に進みました。
午前の対局はここまでで、ここで昼食休憩。
13時30分開始予定だったのですが、いでぽんさんに「早めに開始したいので13時に戻ってきてもらえますか。」と言われました。
あまりゆっくりとは出来ないので、隣の吉野家で牛丼を食べました。
 
いよいよ優勝をかけた決勝戦です。
対戦相手は『ニンジャチーム』さん。
流石に決勝に残るチームで、三人共四段です。
本日二度目の四段との平手戦となりました。
この日は三度KKさんが駒を振って、やっと歩が多く出ました。
奇数先でわたしも先手となりました。
相手の序盤の不用意な指し方を機敏に咎めた、パーフェクトな差し回しをご覧下さい。
 

 

いや~ぁ、これは悔しいですね。
35手目の▲3四歩は勝ったと思って打ちましたからねぇ。
38手目の局面で飛車を逃げずに▲3一角なんて、わたしには全く思い浮かびません。
飛車を取り合った後の△2四金の形が酷いので居飛車優勢との形勢判断が出来るようにならなくてはいけません。
相手が初段だったら飛車切りを考えたかもしれませんが、四段の振り飛車相手に飛車を渡したくないとの思いがいけませんでした。
相手が何段だろうと、自分を信じて指さなければいけませんね。
 

準優勝の賞状を頂きました。
と言っても、わたしは全敗なのですが…(苦笑)。
チームに一枚だったので、大将を務めてくれたKKさんに渡そうとしたのですが、「チーム発起人のレイさんが持って行ってください」と言うので、わたしが貰ってきました。
 


副賞のメダルと棋譜ノート。
こちらは三人それぞれが貰いました。

普通の個人の大会も当然楽しいのですが、団体戦には団体戦独特の面白さがあります。
第二回があればまた参加したいと思います。
とても楽しいイベントでした。
 

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藤森奈津子女流四段戦

芝浦将棋フェスタ団体戦は準優勝という結果で終わりました。
一回戦敗退だったら午後からの個人戦に出場するつもりでしたが、決勝戦が終わった時、個人戦はもう始まっていたので、わたしはエントリー出来ませんでした。
帰るにはまだ早い時間です。
会場の奥のスペースでは指導対局が続いていました。
 


奈津子先生が時折笑顔を見せながら指導しています。
席が一つ空いていたので指導対局に入れるのか訊ねると入れるとの事。
サイン勝負を受けてくれるのなら指導対局を受けたいと申し出ると快諾してくださいました。
 

奈津子先生との十七局目となります。
奈津子先生には飛車落ち卒業試験に二連敗しています。
『二度ある事は三度ある』となるのか『三度目の正直』となるのか、飛車落ち卒業サイン勝負を見てください。

 


3三角型の定跡形に進みました。
この手は定跡を外すちょっとした変化球ですが、▲7七銀と上がって何ともありません。

 


攻め味を見せた手ですかね。
角交換拒否型ならばこのような指し方もあるかもしれませんが、角を持ち合っているので、打ち込みの隙が出来やすくなるデメリットもあり、一長一短ですね。
ここで▲1六歩と突きました。
奈津子先生は△1四歩と受けてくれたので、すかさず▲1五歩から仕掛けました。

 


定跡通りの仕掛けから▲2一角と打ち込むと、奈津子先生は△1四香。
おぉっ、△1四香ですか…。
確か美夏先生にもこの手を指された事があったと思います。
この手では4三の銀にヒモを付ける△5二金として、▲1二歩△2二金▲1一歩成△2一金▲同とが定跡です。
以前、中井先生との指導対局でこの形になった時に「やっぱり定跡通りの攻めが厳しいですね」と言って、右辺を手抜いて中央から攻めてこられた事がありました。
こういう定跡を外された時に正解手を指せるかどうか、実力を試される局面ですね。

少し考えた局面です。
第一感は▲1三歩。
▲1三歩△1六歩▲1二歩成△1七歩成▲同香△1六歩▲同香△同香▲1七歩△同香成▲同桂△1六歩▲2二と△1七歩成▲2六飛に△4二金▲2三飛成で良いと思いましたが、最後、△4二金と逃げる前に△2五香と打つ手があることに気付きました。
▲3六飛と逃げて△4二金。
次に△4四銀から△3五歩で飛車を召し取られてしまいます。
それでは拙いので、勢い▲2五同飛△同桂▲3二と…。
飛車と金桂の二枚換えのうえと金が残るのでこれでも下手が指せているのかもしれませんが、△2八飛と下ろされて銀か桂を取り返されてしまいます。
これは紛れてしまいそうなので他の手を捜してこの手を見つけました。

▲2四歩と指すと奈津子先生は「良い手ですねぇ。いやぁ困りましたぁ」
△2四同歩には▲同飛で、▲1四飛を受けるなら△2三角しかありませんが、それでは飛車を引いてから▲2四歩を狙われて、更に酷いことになります。
奈津子先生は▲2四歩を相手にせず、ここで△1六歩と攻め合いを選択。
わたしもこの手が読みの本線でした。

 


お互い我が道を行く攻め合いでと金を作り合いました。
▲2四飛と走った手に△3五角と飛車取りに打ち▲1四飛に△1三歩と受けられた局面です。
△3五角から△1三歩の手順は読んでいませんでした。
現役を引退されたとはいえ流石プロだと思わされました。
ここで▲3二とも考えました。
▲3二とに△同銀は▲3四飛なので△1四歩でしょう。
▲3二と△1四歩▲3三とで飛車と金桂の二枚換えで銀取りの先手。
そこで△2八飛▲4三角成△4八飛成。
3五の角が急所を睨んでいて、これは恐い変化ですね。
一度飛車先が止まりますが、ここは優勢を意識して無理をせずに▲1三同とと取りました。

 


△2八と▲2三との攻め合いから飛車を成り込みました。
ここでの手がわかりませんでした。
この▲2五桂は玉から遠い所を攻める手なので、あまり感触は良くありませんでした。
実戦では気付きませんでしたが、ここは▲8六桂の方が筋が良さそうでしたね。

 


銀取りの先手先手で、打った桂馬が上手玉に迫って行けたので、▲2五桂も悪手という事ではなかったと思います。

 


下手優勢は間違いない局面だと思いますが、実際次に何を指せばいいのかが難しいです。
寄せの網を絞るために左辺を攻めたいと思い▲8二香と打ちましたが、上手からは早い攻めが無いので、▲9五歩でも攻めが間に合ったかもしれません。

 


桂を入手して、桂打ちからの銀が▲8二香からの狙いでした。
△5二香の受けは読んでいなかったので、読み筋では次に▲6二龍△同銀▲8二金までの詰みでした。
△5二香が入っているのでその筋は防がれてしまいましたが、次に▲6二銀不成△同銀▲5二龍で寄り筋でしょう。
奈津子先生はここで質駒の金を入手すべく△6八角成と角を切って来ました。

 


奈津子先生が必死に受けてきます。
ここで間違えると紛れてしまいます。
ここで▲5三桂成と銀を入手する手が詰めろになる事に気付きました。
△7三金と銀を取れば詰めろは消えますが、▲5二成桂から一手一手ですね。
奈津子先生は▲5三桂成に△同金と取って首を差し出しました。

 


詰め将棋ならすぐに詰ませられると思いますが、持ち駒に金が無いので、実戦の流れの中では一瞬迷います。
しかし間違えずに詰ます事が出来ました。

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感想戦

やはり引き角定跡は優秀ですね。
しかし投了図を見ると、1二の龍は上手玉を間接的に睨んでいて働いていますが、2一の角が働いていないのが気になります。
この角を働かせる攻め方があればいいのですがねぇ。
まぁ、飛車を成り込む手助けをしたということで働きはしたのですがね。

 


飛車落ち卒業扇子にサインを頂きました。
やはり飛車落ちを卒業するには塾長のサインは欠かせません。

 


久しぶりにサインが一つ増えました。
残るはひろみ先生の隣にあっこ先生のサインを頂き、その隣にらぶ先生、中央に最強のボスキャラ(笑)たいふー先生のサインが入ったらコンプリートです。

奈津子先生、ご指導ありがとうございました。
これで飛車落ち卒業です。
次からは角落ちで教わりますのでよろしくおねがいします。

 

対局情報

対局日 :2011年6月19日
棋 戦 :LPSA芝浦将棋フェスタ
対局場所:LPSA芝浦

飛車落ち対戦成績

対女流棋士:69勝87敗

藤森奈津子女流四段
○○●○○●●●○●
●○●○●●○
中倉彰子女流初段
○○○○●●○○●●
松尾香織女流初段
○○○●●○●○○●
●●○●○●○●○
神田真由美女流二段
●●○○○○
島井咲緒里女流初段
●●●○○○○●●○
大庭美樹女流初段
●○○○●○●●○○
中井広恵女流六段
●●●●○●○●○●
石橋幸緒女流四段
○○●●●●●●●
中倉宏美女流二段
○○●○●●○●●○
○●●○
藤田麻衣子女流1級
●●○○●●○●●○
●○
北尾まどか女流初段
●●●●●○
船戸陽子女流二段
●●●●●○●○●●
対プロ棋士:7勝46敗

植山悦行七段
●○●●●●●●●●
●●●
大野八一雄七段
●●●●●●●●○●
○●●●●●●●●●
●●●●●○●●●●
合計成績:76勝133敗 

 
 
 
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