飛車落ち　第五十三局　戸辺誠四段戦

2021年1月1日

LPSAマンデーレッスンの様子

マンデーレッスンに戸辺誠四段が初登場。

戸辺誠四段といえば新進気鋭の振り飛車党として振り飛車党のアマチュアの人気を集めている棋士です。
戸辺先生と初めての指導対局です。
どんな将棋になるのでしょうか。

戸辺誠四段戦

感想戦

41手目の△６二金は玉の守りにはプラスですが４三の銀の利きが外れるマイナスもあります。
やはり▲３六歩と突いて開いた飛車のコビンを狙う為に、▲２一角を誘った手だったのでしょう。
48手目は▲１二歩が利くので、攻めの方針転換をして▲１八飛と角筋から逃げつつ１筋突破を目指せば下手が優勢だったようです。
角を切ってしまったので紛れてしまいました。
しかし、54手目の飛車角交換の判断が良く、形勢はなんとか持ち直しました。
84手目で角を切って寄せに出ましたが、これが好判断でした。
龍に迫られているので受けたいところですが、ここで弱気になって受けに回ってしまうと逆転されてしまうところでした。

メンバーズカードに一言。
69手目の△８五桂が△９五桂だったら、また75手目の△９五銀が△７九銀だったら・・・
本譜の戸辺先生は馬の利きを活かして上から攻めて来ましたが、龍の利きを活かして下から攻められたら負けでした。
プロにその手が見えないはずはないので、緩めて頂いたのだと思います。
『終盤みごとなうっちゃり！！』というコメントを頂きましたが、プロ相手に逆転して勝てる事など、わたしの棋力では絶対にありえません。
68手目に▲７七銀打と指した局面で、最後角を切る手が指せたら勝てるという局面に持って行ってくれたのでしょう。
対局直後はわかりませんでしたが、あとで振り返ってみると、この将棋には下手に『この手を指せたら勝てる』という局面を与えるという、プロの技を感じます。